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コロナ禍におけるIT運用,インフラへの影響度とは|CDEC5.0
こんにちは、CDEC事務局の塩見です。
9月も半ばとなり、やって秋の気配が感じられるようになりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
去る2020年7月17日金曜日、オンラインにて「CDEC(CTC Datacenter Exchange Community)5.0」を開催いたしました。本コミュニティは対面での開催を主としておりましたが、昨今の新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、今回は初のオンラインでの開催となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響がまだまだ落ち着きを見せない中、コロナ禍やアフターコロナなどの言葉も生まれ、各企業が様々な対応を迫られています。
各企業はどのようにコロナ禍の今を乗り切り、アフターコロナを迎えるのでしょうか?
そこで、5回目の開催となるCDECでは「コロナ禍における、IT運用 / インフラへの影響度」について、過去に開催したCDECにご参加いただいた皆様を中心にアンケート調査を行い、その結果をご紹介するとともに、さらなる深堀りを行うという趣向にて実施いたしました。
回答者の分布
アンケート調査期間:2020年6月30日~7月14日
質問数:20問
インフラ担当者が一番多い割合となっていますが、営業や運用、開発などの部門の方々より様々なご回答いただきました。
それでは、CDECでご紹介した「コロナ禍における、IT運用 / インフラへの影響度」に関するアンケート調査について、皆様からいただいた声をレポートいたします。
▼ 目次
1. withコロナ時代におけるIT運用のポイント
2. コロナ禍に起因するITインフラへの影響
3. 新型コロナウィルスの感染拡大がもたらした働き方の変革
1. withコロナ時代におけるIT運用のポイント
1-1. BCP、IT-BCPにおけるキーポイントとは
殆どの企業では緊急事態に備えて「事業継続計画(以下、BCP)」や「情報システム運用継続計画(以下、IT-BCP)」を策定されています。
これらの緊急事態に備えた計画において、今回のコロナウイルスのような事態を想定されていたのか、また策定していたものはきちんと機能していたのか伺いました。
およそ6割の企業が「BCP」もしくは「IT-BCP」を定めていると回答し、計画が想定通りに機能した企業はその1/3に留まる結果となりました。
「BCP」や「IT-BCP」が有効に機能した場合ではそれらの計画を受け入れる環境を整えていたかがキーポイントと考えられます。
一方で有効に機能しなかった場合では想定外の事態が発生し、それが基準書に制定されていなかったことが原因と考えられます。
1-2. システム運用継続の鍵は業務のすみわけとリモートでの運用環境の整備
システム運用への影響に関して、約75%の方が「影響があった」と回答しました。また、約80%の方がIT予算に関して「予算見直し」と回答しました。
今回の新型コロナウイルスの対策として、システム運用を継続させるための対応に関しては約9割の方が「何らかの対応を行った」と回答しました。
今回の新型コロナウイルスの対策として、
システム運用を継続させるために何らかの対応を行いましたか?
具体的な対応としては、下記の回答が挙がりました。
- 運用体制を見直した
- 運用をリモートで行えるようにした
- 感染予防を徹底した
対応の必要がなかった方からは「リモートワークのための、VPN回線の強化が優先事項」とコメントいただいており、運用よりもリモートアクセス環境の構築を優先したと考えられます。
コロナ禍において、システム運用を継続には運用をリモートできるものとできないものの「業務の棲み分け」、リモートでの運用環境の整備がポイントとなっていると言えるでしょう。
これらの対応ができないと負荷が一部機能にしわ寄せされて、負荷増大する実態があると考えられます。
コロナ禍を経た運用アウトソースに関しては以下のコメントをいただいています。
- ベンダーへのアウトソースは以前から進めており、継続してアウトソースは進めていく予定。それとは並行して、コストの安いフィリピンでの社員を増やし、グローバルの営業、顧客サポート、デリバリー、エンジニア等の業務を集約する取り組みも行っている一部マネージドサービスのベンダー起用を検討している
- 既存のベンダーを乗り換えるきっかけになったとは考えている
- 作業者について、コアな作業は社内リソースで実施しているが、これもある程度は外部に委託をしたい
- 今の所、アウトソースは検討していない
2. コロナ禍に起因するITインフラへの影響
2-1. 予算の見直しが多数
今年度のITインフラ予算に関しては、約80%の方が「予算見直し」と回答しました。
2-2. インフラシステムのクラウド利用は促進されるのか
7割の方が「インフラシステムのクラウド利用が促進されると思う」と回答しました。
新型コロナウイルスの影響を受けて、
貴社インフラシステムのクラウド利用が促進されると思いますか?
クラウド利用の促進の理由については下記意見が挙がりました。
- オンプレにない即時性
- リモートでの運用のしやすさ
- セキュリティの担保
コロナ禍で働き方が変化する中、クラウド利用の促進に関して、使いたいときに使いたい場所で使えるという「利便性」がキーワードとなっているのではないでしょうか。
また、クラウドは選択肢も多く、その中で様々サービスがあり「多様性」も重要なポイントとなっていると考えられます。
一方でクラウド利用を阻害する要因としては下記のキーワードが挙がりました。
- セキュリティのリスク
- コスト
- レガシー化(システムの仕様が古すぎる)
これらの課題が、クラウドの良さでもある「利便性」や「多様性」に打ち勝っている状況にあるのではないでしょうか。
クラウド利用を進めたいものの、従来からの課題が利用促進の阻害となっていると考えられます。
2-3. ネットワークの増強の現状
半数を超える65%の方がネットワークの増強を実施したと回答しました。
コロナ禍では社員の大半がテレワークをせざるを得なくなり、クラウド利用が促進されWEB会議やOfficeツールなどSaaSの利用が増え、その結果、ネットワークの帯域不足に陥った状況が多くあったと考えられます。
3.新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした働き方の変革
3-1. 従来の仕事への取り組み方への影響
90%の方が仕事への取り組み方への「影響があった」と回答しました。
今回の新型コロナウイルスは
従来の仕事への取り組み方へどのくらい影響を与えましたか?
3-2. テレワークの導入・継続の課題、解決策とは
97%を占める大勢の方々がこのコロナ禍でテレワークを導入されたことがわかりました。そのうちの78%の方に課題があるとお答えいただきました。
具体的な課題として下記が挙げられました。
- 通信状況
- 端末(PC)問題
- 紙の扱い
- 業務や個人情報の管理
- コミュニケーション
それらの課題に対して解決策を伺った結果、ネットワークを含めたインフラ環境の改善や 紙の申請書や捺印などのルールの緩和、業務プロセスの見直しが解決の切り口になると考えられます。
4.まとめ
CDEC5.0では「コロナ禍における、IT運用/インフラへの影響度に関するアンケート」の結果をご紹介する形での開催とさせていただきました。
アンケート調査結果のポイントをまとめると、以下になります。
- IT運用継続のために、リモート運用/体制見直し/感染予防 などの対策をしているが、負荷がかかるなどすべてが思い通りにいくわけではない
- 「業務のすみわけ」や「環境改善」で対処されている
- インフラへの影響は、働き方の変化からクラウドやネットワークの増強が実施されている
- 仕事への取り組み方は、テレワークが主流になる中で紙の書類や業務管理、コミュニケーションに問題を抱えている
- 「ルール緩和」や「プロセス見直し」で対処されている
コロナ禍という緊急事態において、各社の対応や課題、その課題の解決策などリアルな現場が垣間見える結果となりました。
今回のCDECの模様については、CTC Youtube チャンネルに掲載しております。是非ご視聴ください。
なお、今回のアンケート結果の詳細は以下よりダウンロードいただけます。